そつぎょう

ローカル路線バス乗り継ぎの旅〜特別篇」で太川陽介蛭子能収の卒業が発表された。どうにか三十回はと願っていたが、致し方のないところ。ルート枯渇を理由に挙げていたが、廃線に伴う徒歩行の増加も予測され、蛭子の過労に配慮したものと思われる。住民の厚意からの車移動(相乗り)は認められるルールが周知されていたらとも思ったけど、焼け石に水、それも限界あるか。
 特別篇は予想以上に楽しかった。コンテンツの良質さを再認識したし、田中&羽田コンビも良かった。競技性に拘る太川と宿に拘る蛭子が、温泉宿に執着する年嵩の田中と心配性の若輩羽田に逆転し(チェックインでテレビの露出度を生かす蛭子の役回りをこなす個性派俳優、前席で一人座り先行きを危ぶむ太川の様子を髣髴させる芥川賞作家とか)、また、あくまでも田中がリーダーであり、タレントと文化人という同設定でありながら太川蛭子の主従関係の裏返しともなっている。「旅なんだから楽しまなきゃ!」と意気込むドンキホーテとビールを一口で飲み干すサンチョパンサという古典の鮮やかさ、破壊力を侮るなかれ。松本城でのショット(写真)は素晴らしかった。第一弾の(コンビ+ゲストではない)トリオの道行きという連帯感、ほんわかムードがかもしだされていた。次回あるなら40overのマドンナに牽引されてて(引っかきまわされて)ほしい。
 太川&蛭子は新春の第25弾がラストとなる由。特番でこのコンビが旅を、散策をする番組も期待されるが、まずはローカル路線バス乗り継ぎの大団円を視聴したい(マドンナは中島史恵遠藤久美子か‥さとう珠緒かしらん)。