2008-01-01から1年間の記事一覧

世界の測量

過去に『経度への挑戦』デーヴァ・ソベルとアラン・ライトマンの『アインシュタインの夢』の二冊に愉しんでいなければ、ドイツ最大のベストセラーという触れ込みの本書は手にしなかったと思う 科学の世紀はまた科学者の世紀でもある その勃興と権勢――発明と…

今年ノ五冊

今年ノウチニ 08年読了の小説から五冊(順不同) クリスマスミステリーの二冊分が未読ですが、おそらく掛からないと予測して(エリザベス・ボウエン、ジョー・ヒル愛読者の皆さんごめん) アメリカにいる、きみ C・N・アディーチェ Oヘンリー賞受賞作家な…

「求めよ、さらば与えられん」とチクタクマンはいった

ボームが創作したオズ、キャロルのアリスのキャラクター達はサブカル作品に於いてもポピュラーで、もはや両書は現代人にとって神話の域に達しているとさえ思われます チクタクを含め(個人的にはクルマーが一番怖かった)ボームのキャラの登場頻度が高いのは…

イエスタディ、イエスタデー

SF小説には「リアル」を醸しだすため、未来のテクノロジーをあえて説明しない仕様のものがある 更に状況(いつー、どこでー、だれがー、なにをー、どうしたいのさー)を一切叙述せず、何ページも進んだ後にようやく、これは惑星プラントの管理者募集に関す…

パターン・フォー・サバイバル

ううむ、屋はなにやら「ネタ」の様相を呈してきたのでしょか? それではと――「衒学」趣味は手に余るので――存分に感傷的に、ヒステリックにわめいてみましょうと 1 暴走! 恐怖の反物質貯蔵ユニット ディアナはホロデッキに行き、機関部の最終試験プログラム…

神は銃弾

ドラマの影響? 24やERに限らず、むしろ選別男はサスペンスの王道 そこから、俺たちは正しいのか、抑、資源は本当に足りないのか、真に順当、合理的なのか、目前の人を救えずに・・・と、登場人物が動きだすhttp://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/…

説明することではなく、見渡しのない私のゲーム

判決についてここで何事かを述べるつもりはなかった そのためにデンゼル・ワシントンとサミュエル・L・ジャクソン、シェーカル・カプール監督を取り上げたエントリを用意していたぐらいだ けれど二、三の関連記事にコメントをつけた だから補う意味でざっと…

「要は、勇気がないんでしょ?」でジャクリーンの膝で涙にくれるJFK

※書き手はピュリッツァー賞受賞者。友人は天才コンサルタント。ちょっと昔の話。今よりも僕はずっとずっと自由が好きで、聴衆に契約やその対価を説明するのが好きだったんです。 でまぁ、当時も今と変わらず敵陣営とは話になりませんで、 男友達のノイマン教…

ブクマー未満

口にこなれず、納まりがなく、心地よい凹凸もないコメント群 なにより方向があさって過ぎたので未満となる いつもはそのままメモ帳の忌々しい染み(紙魚なんて風流なものでない)と果てるが、今月は思いの他に溜り、せっかくだからこっちで http://b.hatena.…

テンプラス・テン

十代のうちに読んでおくべき本なあ JFKはスポーツ等にかまけて大学入学後にようやく資本論、哲学書を読み始めたという といって課題を読破して某新聞の主筆みたいなのが後年量産されても困る それに思想書は良き教師ホワイトヘッドの名著と、いしいの『現…

堕ちる猫

ドナルド・バーセルミ作の"The Falling Dog" 彫刻家の若者が歩行中、ビルの窓から降下してきた犬にぶつかり、その体験をきっかけに、落ちる(墜ちていく)犬の製作を考える 彼は「落ちる犬」の着意がアイデアに果てるか、それともイメージであるかを検討する…

ともだちのともだち

都市伝説の名称が広まる以前(松谷みよ子の現代民話考は近所の図書館に全巻揃えていてありがたかった)、「民間伝承」なる用語に牧歌的で幾分猟奇的な印象を抱いていた 温室育ちなもので未加工の情報をあまり詰め込むと消化不良を起こしちゃうのですな 口述…

THE RAPE OF LUCRECE

目当ての絵画(獣が城壁を突き破る場面)は探し出せなかった 冊子と”二番目に上等なベッド”からベーコンまで繋げる好事家のシェイク‐スピア研究本の挿画で、自分が鑑賞したのは、政治的にも正しく貞淑であった(と演出された)ルークリースが見入ったとするト…

ヘンリー・ドーセルブラドvsエルヴィス・ボラックス

訪米で河野談話が辛くも生き延びたように、代用監獄や面会制限等の刑事司法の改正もまた、外圧(米国)頼み、絡みとなってまうのかな だが自分はさほど悔しく思わない 子供も大人も真似しちゃだめですが あわやあやや危ない 市民権こそありませんがアメリカ…

こりあんさん

北杜夫は小学生の頃のアイドルの一人 人工的な筆名のくせにまことに人間くさい、だらしない大人生活を満喫しているこの作家に憧れていた 暇な時は著作を詰め込んだ専用のダンボールに手を入れ、あてずっぽうに引っ張り出した本の数ページをめくった ケストナ…

トラックバック未満 三つ

トラバ未満、メモ未満のてなぐさみ(悪い意味で)三題 1 はっ、映画ベストテンの話だ 鶴田浩二と聞けば「むかしむかし芸能界ではなー」で始まる恐怖伝説のモデルというイメージが先行してしまうのだけど(歌謡界でいう山下Kジローみたいなの)、映画評も辛ら…

すっかり忘れてしまっていること#4 府民時代(仮

選挙も終わったことだし、たらたらーと 議会を長年牛耳ってきた自民党にまことに相応しい候補者が、府民にとっても相応しい人物であったということなんかな(黒田時代の議会との緊張感を懐かしむ年配記者の話を聞いたことがある) 自分は自公が推し、島田司…

Come, Tell Me How You Live

お知らせ! ケストナーぐらいまえがきです まえがき 読者としてはこれほど興のそがれる、困憊する題材もないと思うのだが[メタ]いざ論じるとなれば筆のすさびが際限なく、天にも届けと蓋が重なる(もー、息をするように書ける) これは「小さな物語」を存分…

婉曲なトラックバック その五

なーるほど http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080120/p1 毅然と脱退、我が国が抜けたIWCにいか程の意義があるのか国際社会に闡明し、再考を促すという栄光の道、手札が残されているわけですね 個人的には、日本は単一民族国家ではないとの声高な言説はおた…

修正 Jaunt

S・キングは特別な作家だ 愛読している唯一の現代作家であり、新刊が競って翻訳されるベストセラー作家でもあるんだから 自分にとって「現代」は1970年前後、小説に携帯なんぞが出てくれば「便利な世の中になったなー」、「これからのミステリー作家は大変…

修正 時の娘(ド・クーランジュ)

書きかけです