Come, Tell Me How You Live


お知らせ! ケストナーぐらいまえがきです

まえがき

 読者としてはこれほど興のそがれる、困憊する題材もないと思うのだが[メタ]いざ論じるとなれば筆のすさびが際限なく、天にも届けと蓋が重なる(もー、息をするように書ける) これは「小さな物語」を存分に積み上げる作業が可能な領域にあるんだろう SF作家アシモフがミステリーを執筆する際に感じた――いや、この例えは自分には高尚すぎ――弁護士の太った息子並に駄文を流せる
 続く

 邦題『さあ、あなたの暮らしぶりを話して』は考古学者の夫と連れ立ったアガサ・クリスティー旅行記 「読んどきゃよかったなー、でも今さら読んでもなー」となった幾多の書籍の一 「ショー・ザ・フラッグ」よりはお上品かもねと援用させてもらった 
 ところでコンドリーザ・ライスが「(日の丸は)元気よくはためいていますよ」とむずがる子をあやすように受け答えするシーンでは、「日本人として」の枠組みがすっかりがたついている自分もさすがに赤面し、目を伏せてしまった ビル登り男が屋上で警官に取り押さえられる映像を観て、「国辱だっ」と小さく叫んだ際のやるせなさ(ハリー・キャラハン曰く、そりゃ地獄そのものだ)とは別物 テレビで山本一太が「外交カード」という言葉を発する度、おそらく後援者らが感じるであろういたたまらなさ、恥ずかしさとでもいいましょうか
 スタートレックDS9の企画では、警官らの暴行に端を発した1992年のロス暴動が反映されている 人心と街の荒廃に衝撃を受けながら、スタッフ達は特異点近傍に浮かぶ雑多なステーション世界を作り上げた スタッフには「毅然とした」警官らの抑制手法への賞賛も心酔もない シスコ司令官が戒律を重んじ、(制限付きながら)ラショナルで冷厳な人物に設定されているにもかかわらず、物語のテーマは赦しと再生だ
 続く

 こっちに来い、旗幟鮮明にしろ、そのブーツをどうたら言われると、筒井の『旗色不鮮明』を思い起こし、居心地の悪さを覚える向きもあるかと 身に沁みますな
 ちなみに、楠木公の「バケツ」は教室にある銀のブリキ? それとも青いポリバケツ? と、関西の小学生を悩ませた『台所にいたスパイ』、パロディつうかオマージュつうかインスパイア――なんでもいいんですが――トリビュート先は『東京アンダーワールド』、では勿論なく、ウィリアム・テンの『宇宙のリスボン』というドタバタ)
 続く(あの、まだまえがき、増築しているのです)

 トピックの「自称中立」とは、生年による、55年体勢の呪縛からの解放、また「ゆとり乙」の一言レスを打つ際の奇妙な優越感の表明と似たものだと考えているのですがどうでしょか? 棄権すれば政論では無敵の立場になるという錯覚ほどの代物かとね
 だけど本意ではなく中立になってしまう例もあるんですね 「無能な味方」という逸りがあるけど、これは一方の陣営に身を寄せる事が擁護どころか確実に足を引っ張ることを自覚しているケース(意見を援護と不支持に二分する無益は置く) 甲、乙の対峙に於いて甲の批判を述べたとする コウの味方とは到底ならない(敵の敵は、味方ではないから)、自分の発言がオツの不利になることを承知しているわけだからオツの味方でもない といって「民衆の敵」扱いするには甚だ不足、結果宙ぶらりん 荒地にブーツを下し、立場を明かしているので自称中立との非難は当たらない カジュアル肯定派としては「止揚中立」なるさも意味ありげな呼称を推したい
 続く

 ネタスレを別にして、他メディアへの批判、検証であれ、ブログや掲示板は一定の評価を得た資料、専門家、或いはプロの編集者の精査、推敲を経た文章に行き着くリンク場と考えている 多くのブロガーたちの専門性はネット論、技術論、作法論にあり、掛ける情熱、細やかさの配量も他の問題のそれとは比べ物にならない(技術論議歴史認識のそれを比較したこのブックマーは「一年で身に付く知識で鬼の首 世間から”パソコンオタク”と冷ややかに呼ばれるのもむべなるかな」が文字数でカット) 「揉め事」タグがつく話題となれば尚更、謂わば前日の記事の参照、ワンクリックを厭う人物が、十年前の一文を論拠とする事を推奨するわけ(えっと、噛み付く場所ちがってませんか?)
 続く(もうちょっとで本題に)

『貧困なる精神』で面白かったのは大江批判に対する読者の反批判の投書 揚げ足取りに過ぎないのではと、あえて本多の文章の揚げ足を取ってみせる趣向のもの 貴方の批判は枝葉な部分をあげつらっているだけじゃないかという本多擁護の投書が後に続く構成も楽しめた
 続く(・・・って、あちゃ 終演はいつものことだけど、まだ二つまえがきが残っているのに”仕方がない”にキーワードが変わってしまってる そう、これ水伝巡りのエントリだったんです うーむ)

 大昔、喫茶店で読んだ雑誌にこんな漫画が載っていた(模造記憶に近いですけど大意はね) 
 主人公は快活なリアリスト、立ち寄った大学の構内で学生のデモ隊と遭遇する 学生らはヘルメットのオタク顔、目だけは吊り上がって「総括しろー」とか叫んでる
「つまりお前たちは戦争をやめさせたいのか」と青年
「なんだなんだー どけー」
「愚かなっ、俺がお前たちなら大統領を目指す アメリカの大統領になって戦争をやめさせる」青年は高らかに宣言し、悠然と立ち去る
「うっ」返せない学生達 (無聊の読者に)これ見よがしに悔しそうな顔を振り向けてくる者もいる
 こいつは笑顔で対処できるケース 政治ゲームをしろと青年は主張しているんだからね 僕らはそんなゲームに参加せずとも、自由で安全で、ささやかでも己の政治的意見が反映される社会を望んでいるのさと言えば済む 民主主義を多数決の論理と割り切らず、望むのは少数の意見をいかに参酌、了察できるかに心を砕く政治家、まして「酌んでほしけりゃ偉くなれ」と言い放つ候補者など、選挙スタッフからも見放され淘汰されるよと伝えればいい(政治ゲームに翻弄され、泡と消えた運動家の例を挙げられれば尚よろしい)
 続く・・・ええい、もう切り上げ


*つらーつらーで、本文の下書きは前書の二倍の分量となった 体裁を取り繕うべく読み返す気力が今ござらん でもかりかりやってる時間は楽しかったです チラウラの愉悦というやつなんでしょうけど 気力が戻るまで、注目エントリで話題が再燃するまで刈り込みもアップも自粛しておきましょう